コラム

記入者:湯坐麻里子

 先日,とある病院に行きとある医師の診察を受けた。

 この医師,初めからえらくぶっきらぼうな態度であり,到底質問したり相談できる雰囲気ではない。
 しかし,あまりそういうことは気にしない私が一つ質問したところ「そんなことは分かりません。それが分かったらノーベル賞ものです」との回答であった。

 「それが分かったらいいのですけどねぇ」的な言い方であれば,私も「あぁそうですか。先生でもお分かりにならないんだから仕方がないですねぇ」とのどかに終わるのだが,この医師の対応は,不安に思う患者の気持ちなど全く思いやる気持ちがない,見下したような物の言い方であった。

 その他,色々あったのだが,自分の診察の場面なのであまり細かく書くのもなんなのでここでは書かない。ちなみに,この医師,看護師さんに対してもえらく横柄な物の言い方であった。

 変な話だが,「この医者が医療過誤を起こしたという事件がきたら絶対徹底的に戦ってやる!」と戦闘意識がムラムラ湧いてくるような医者であった(としても,さすがに自分が診てもらった医者を相手に訴訟はできないだろうけれど)。

 ドクハラという言葉も結構定着している昨今,「いやぁ今時珍しい医者だなぁ」と驚いたが(はっきり言うと,京都ではお目にかからなかったタイプだ),医者であろうと,社長であろうと日常的にやりあうことことが求められている為にちょっと鍛えられている私ですら,すこし傷ついた気持ちになったのだから,その他の患者さん達は果たしてこの医者と接してどういう気持ちになるのだろう。被害者は多いのではなかろうか。

 として,弁護士と医者はよく比較される。
 弁護士も弱った人と接することが多い仕事だ。私は自分としては,近寄りがたいと思われないように心がけているつもりだが,改めて,この医者のように私のところに来てさらに傷つけられる,ということがないよう心がけなければならんと思った次第である。

 

記入者:湯坐麻里子

 事務所で仕事をしているとき,また,家にいるときに,時たまセールスの電話がかかってくる。
 セールスの内容は,保険やマンション,インターネットの関係(内容を真面目にきかないのでよく分からない)等様々である。
 
 ダイレクトメールは開封するか否か私の自由なので大して気にならない。しかし,電話は,私の時間を食ってしまうので本当に迷惑である。

 皆さんと同様,私もはっきり言ってとても忙しい。
 日中は,仕事の電話やら裁判やらで落ち着いて書面仕事ができず,その為,事務所でやりきれない仕事は家に持ち帰ってやってやったり休日出勤している状態である。一方,当然,私も普通の人間であり,24時間弁護士であるわけではないので,仕事をオフにする時間も必要である。

 特に事務所にいる間は,仕事に全力を費やしたいと思っているのに,セールスの電話で遮られると,「仕事の時間を奪われた」という思いと同時に,ひいては,「仕事がすすまないので依頼者の皆さん全員にとっても損失」だという思いが強く怒り度大である。

 このような状況で過ごしているのに,なぜにセールスマン(ウーマン)は,無情にも非情にも,いや,非常識にも,仕事中に事務所に電話してきたり,家で食事をとっている時間に自宅に電話をしてきたりして,自分勝手に物を売り込んでくるのだろうかと本気で腹が立つ。はっきり言って「他人の時間の邪魔をしても平気」という時点でその業者は大嫌いだし,電話をかけてきた業者とは意地でも契約しない!と思っている(たとえ,やせ我慢になってもそういうときの私の意思はとても固い)。

 と怒り狂っている私だが,セールスの電話に対して超無愛想な対応をしているのかといえばそうでもない。「いやぁすみません。興味はないので結構です。お仕事大変ですね」と妙にへりくだっていることが多い。というのは,相手が自宅や事務所の電話番号を知っているということは恐ろしいことなので,とにかく恨みを買うことがないようにと気を遣ってしまうのだ。こういうところは,たとえそれが不合理なことであっても「人の恨みというのは恐ろしい」と実感している弁護士ならではの感覚だろうと思う。

 と,先日,マンションのセールスの電話が事務所にかかってきた。
セ「先生,財テクとしてマンションのオーナーになりませんか?」
M「いえ,私は貧乏なので結構です。」
 と答えると,なんと,セールスマンは「いえいえ,お金が無い人でも割安の分割で購入することができます」と切り返してきたではないか。
 
 別に,セールスマンにどう思われようとかまわないのだけれど,見ず知らずの他人に「お金が無い人」と言われるとは・・・ 「貧乏」を「お金が無い人」と言い換えたところは「セールスマンとしての才覚」と評価すべきことなのかもしれないけれど,「商売=おだててなんぼ」という感覚の私は大層驚いてしまった・・・