コラム

09年04月 : さらば芋

記入者:湯坐麻里子

 私は芋が好きである。
 芋類はだいたい何でも好きだが、サツマイモは特に好きである。

 サツマイモの食べ方は蒸す・ゆでる・焼く等色々あるが、やはり、一番美味しいのは「焼き芋」であろう。

 焼き芋といえば、移動販売の「石焼き芋」が有名?である。が、幼少の頃に「あれは贅沢品」と親にすりこまれてしまったせいで軽トラのおっちゃんを呼び止める勇気が未だに出ない。親のすりこみとは恐ろしいものである。
 尚、そんな私でも軽トラの焼き芋を食べたことが一度だけある。小学校1年位の頃だったと思うが、近所のおじさんが買ってくれたのだが、大層甘美な思い出として未だに強烈に残っている。

 では、私がどうやって焼き芋を食べているのか。皆さんにも是非お試しいただきたいのだが(今回はその為にこのコラムを書いているようなものである)、レシピは下記の通りである。

①イモを洗う
②洗ったイモをオーブントースターにいれる
③オーブントースターのダイヤルを回す(15分)
④オーブントースターがチンと鳴ったら竹串を刺すなどして(竹串がなければ端っこを割ってみるのでもよい)、焼け具合を確かめる
⑤焼けてなければ、あと5分くらいやいてみる(時間は適宜)
 尚、皮が焦げてきたらちょっとアルミホイルで保護してみるのもよい

 センスのみせどころは、⑤のところでいかに微調整するかであろう(もっとも、私はまぁ焦げてもいいやとテキトウにダイヤルを回してよく焦がしている)。

 実に簡単である。
 基本的に、洗ってオーブントースターに突っ込むだけである(まぁ、芋があまりに大きいときは切って切り口をアルミホイルでちょっと包んだ方がいいとは思う)。
 しかし、焼き上がりは実に見事である。色は黄金色になり、甘みが増し、適当に焦げて香ばしい匂いがしながらも、一方で、適度にしっとりとしてそこが特に甘い。
 焼き芋のおいしさはこの焦げ感と、これと相反してしっとり濡れた感じ(糖分が出てくるのだろう)のハーモニーにあると思う。まさに、私にとっては、ウン十年前の甘美な焼き芋体験の再現である。

 と、軽トラのおっちゃんを呼び止めずとも、上記のような簡単な手順で美味しい焼き芋が食べられるのである。先日などは、あまりのおいしさに一気に2本も食べて、食べてる途中で早くも胃が荒れたのか口の中が口内炎気味に痛くなった位である。

 尚、上記のレシピは料理上手の私の叔母から伝授されたものである(料理上手な叔母がいてもがさつな姪はこんなレシピしか習得しないのだ・・・)。

 しかし、サツマイモももうそろそろ終わりの季節である。さらば芋、ありがとう芋である。
 サツマイモがまだ店頭に並んでいる間に是非お試し下さい。 

 

09年04月 : 納得の問題

記入者:湯坐麻里子

 人生思い通りに行かないことが沢山ある。
 私も、美人になって足が長くなって、痩せて、優雅になりたいという希望はあるが、絶対にそうはならない。
 また、トラブルが発生することもあるし、不合理なことに遭遇することもある。

 しかし、私はだいたいのことは自分で解決できる自信がある。たとえ、思い通りの結果にならずとも、「できる限りの対処はしたがこの結果だった」だと納得できるのであれば、それは自分なりの解決で納得できるからだ。
 美人でなくて短足で太ってて優雅とは程遠くても、面白い奴とよく言われるし、友達もいるし、と思えば人生納得なのである。

 納得できるか否かということは人生を生きる上で本当に重要である。というより、幸せか不幸かは納得しているかどうかにかかっている。

 この「納得」というのは私が弁護士の仕事をする上での最重要のキーワードである。
 相手の事情があったり、法律論としては難しかったりで、100パーセント依頼者の方が望まれる通りの解決ということにならない事案がどうしてもある。
 そういう場合に、いかに依頼者の方に状況を説明し、納得してもらうかというのは弁護士の重要な仕事である。尚、その前提として弁護士にきちんと仕事をしてもらった思っていただく必要があることは当然である。

 「なんだかよく分からないが、それしか仕方がないと言われたのでやむなく」というのはもの凄く大きなストレスである。たとえ、それが、本当に妥当な解決でも納得できていないこと自体がストレスであり、人生上非常に勿体ない。

 として、法律相談を受けていて、「実は他の弁護士にも何人か相談をしたのですが納得できなくて来ました」と言われることがよくある。法律相談は窓口の段階である。弁護士と自分の考えが合うか合わないか、よく検討されて場合によっては違う弁護士にも相談された方が納得のために重要だと思う。 

 

記入者:湯坐麻里子

 アトピーに悩んでおられる方は多いと思う。私の身内にもアトピーの人間が何人かいる。
 それで,私もアトピーに関する本を調べてみた。お医者さんが書いておられる本も沢山あるが,「なんとか水でアトピーが治る」だの,「整体でなおる」だの,ほんまかいなというような類の本もやまほどある(こちらの方が多いくらいである)。
 アトピーは複合的な要因で症状が出るため,なかなか治りにくい病気である。そもそも,アトピーという言葉自体が「奇妙な」という意味らしい。 その為,アトピーに関連して,なんとか水やらなんとか健康法やら,アトピービジネスと呼ばれる一連のまがいものくさい商法(全てがまがいものなのかどうか私は知らない)が結構ある。特に,アトピーの一般的な治療薬である「ステロイド」についてマスコミが「恐ろしい薬だ」と盛んに報道した時期があり,その為,アトピービジネスが益々横行する結果となった。

 金沢大学大学院医学研究科教授の竹原和彦先生の本を数冊読んだが,ステロイドは怖いものではない,医学的根拠のないアトピービジネスに惑わされないでほしいということが繰り返し述べられていた。
 竹原先生はアトピービジネスに取り込まれて重症化してしまった例を沢山診ておられる為,「惑わされないでほしい」と焦燥感を感じれおられるのだろうと思う。

 私も弁護士として,これとよく似た焦燥感を抱く。

 インターネットで「離婚」に関する事項を検索すると,まずヒットするのが行政書士のHPだったりする。「離婚専門行政書士」なんて名乗っているのも見かける。
 
 しかし,離婚事件について,依頼者の代理人として交渉したり,調停・訴訟を担当できるのは弁護士だけである。離婚事件は行政書士の本来の職務範囲ではない。

 離婚は,協議離婚(当事者間が合意して離婚届けに署名押印する離婚)でない場合は,まず家庭裁判所で調停をし,調停がうまくいかなければ裁判になる。

 調停は非公開である上,そこで話した内容は公開されない。調停の中で,相手方に何を問いかけるか,いかに裁判所にこちらのことを理解してもらい味方になってもらうか,どのタイミングで証拠を出すか,そして,どういう解決策を探るかは弁護士の経験に負うところが大きい。

 調停が不成立になり,裁判になった場合,判決がでれば一部は判例として公開される為,一応は,誰でも学習することができる(但し,専門家ではない人間が判例を読んでどの程度学び取れるのか私は疑問である。夫婦の状況は多種多様であり法理論だけの世界ではない離婚判決については尚のことそう思う)。
 しかし,裁判は必ず判決で終わるのではなく,和解で終わることも多い。弁護士は和解の席上での裁判官の話ぶりから裁判官の心証を推し量ったり,裁判官の一般的な見解を学んだりしている。そういう学習は弁護士でなければできない。

 このように教科書で学べる世界ではないからこそ,経験と感覚が重要な分野だと思う。
  
 そういう経験をすることができない行政書士がなぜ離婚の専門家と名乗れるのか不思議で仕方がない。実際,そういう行政書士に依頼して事件が立ち行かなくなり,私のところにこられた依頼者もおられた。
 しかも,弁護士よりも料金が安いのかと思いきやそんなに変わらなかったりする(少なくともうちの事務所との比較だが)。そもそも,行政書士の費用が書面作成代であるのに対して,弁護士の費用は,書面作成のみならず,交渉も弁護士が単独でやり,調停は全て同行して仕切ることについての対価なのであるから単純に金額の比較だけで安い高いということはできない。

 さて,アトピーのことに話を戻すと,竹原医師が焦燥感を感じられるのは当然のことだと思う。だって,たとえば盲腸なら民間療法ではなく,普通病院にかけこむだろう。医師が専門家だからだ。として,「アトピーについてだけ,なぜ専門家の医師の意見を無視して民間療法(アトピービジネス)に走るの?おいおい待ってくれよ。危険だろう」という感じだろう。

 離婚に限らず,破産にしても,各種契約にしても,その専門家は弁護士である。専門家でない人にメスをもたせて自分のお腹を切らせるのと同様のことは避けていただきたいと切実に思う。