コラム

記入者:湯坐麻里子

依頼者や相談者の中で,結構おられるのが「先生」と呼ばれる職業の方々である。

そして,学校の先生は概ね皆さん字が綺麗である。
とりわけ小学校の先生は字が綺麗である。
私は綺麗な字フェチのところがあるので,綺麗な字を見ていると嬉しくなってきて,しみじみ眺めてしまうのが常である。

さて,弁護士も一応「先生」と呼ばれることが多い(実は,お名前を忘れたときなどにも「先生」という呼称があるのはとても便利である。失礼にならないし。だから皆,先生と呼ぶのかも知れないが・・・)

として,弁護士の字が綺麗か否か。
勿論,綺麗な字の先生もおられなくはないが,私が今まで見てきた限り,あまり綺麗とは言い難い。

上手い・下手以前の特徴として,「何を書いているのか分からん字」が多い。つまりは,走り書きだ。忙しいのでついついそうなってしまう。私もそのタイプだ(本気で書いたらまぁそれなりの字だと,自分では思っている・・・)。

事務員にメモで指示を出していて,事務員から「これは何と書いてあるのですか」と質問されて,自分でも分からず考え込むことがしばしばある。

だったら,なぜ,丁寧に書かないのかと言われれば返す言葉もないが,次から次へと仕事を処理したいので,どうしても走り書きになってしまう。

一番,自分でヤバイと思ったのは,手帳に書いてある字がよめなかったことだ。
「○月○日 ○時」の欄に確かに何か書いてあるのだが,それが何か分からない。場所が書いていないということはどこかに行くのではなくてお客様が来るということなのだろうが,誰だか分からない。

一体誰が来るのだろう・・・とドキドキしながら待っていたが,結局,誰も来なかったり(多分,未定の予定をメモ書きしたと思われる),多分,○○さんだろうと思っていたらその通りだったり。
まぁ,そんなに頻繁にあることではないが,実は1回のことではない・・・

あと,面白いのが,走り書きやらいわゆる悪筆やらもそれなりに法則があるらしく,慣れた事務員さんになると,それを解読する能力がついてきて,それなりに読みこなしているという例もある。殆ど職人芸だ。

その他困った例としては,私の師匠が,英語で仕事をすることが多い為に,メモも英語まじりで(英語で書いた方が確かに早い),知らない単語が出てきたりして,日本人の先生が書いた文章なのに,英単語を調べながらでないと意味が分からない・・・ということがあった(しかも,日本語で書いてある字も例によって走り書きで読みにくい)。

学校の先生が,丁寧な綺麗な字を書かれるのに対して,上記のように弁護士は走り書き派が多い(と思う)のはやはり仕事の性質の違い(先生はやはり生徒の模範にならないダメだろうから。それに対して,弁護士は人としての模範例には全くなり得ない人間が多い)だろうなと思う。

ちょっと話がずれるかもしれないが,私の走り書き癖というか,とにかく,「分かればいいだろう」的ガサツさは大昔からのことで,子どもの頃は,テストの署名欄に自分の名前を最後まで書かないということがしばしばあった(氏+麻里子と「麻里」まで書かず,「子」を書き忘れる)。「麻里子」という字が書けない訳ではなく,重要なのは,テストの回答という気持ちがあるので,つい書き忘れるのである。

こういうことって,几帳面な性格の人からすると考えがたいことなのだろうけど,ガサツな私はこういう類の例が多く,たまに人からびっくりされて,私ってやっぱりちょっと変わってんのかなぁと思ったりする・・・