コラム

記入者:湯坐麻里子

かなり報道されたので皆さんご存じだと思うが
武富士が会社更生手続きの開始の申立をした。

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詳しい説明は色々なところで解説がなされているので
かなり簡単にいうと(だからかなり大雑把な説明になることをご了解ください)

会社更生というのは
経営困難になった会社が
裁判所の監督のもとに資産や借金の整理をする,という手続きである。

武富士の借金の中には,過払い返還請求権が含まれている
(というよりも過払いの返還が大きな負担だったといわれている)

会社更生手続きを開始するか否かは裁判所の判断であり
まだ開始するという裁判所の決定が出ているわけではないが
おそらく11月前半には開始の決定が出るだろうといわれている。

以下,開始された後に流れについて過払いに関する点にしぼって書くことにする。


〓〓〓〓〓〓〓債権届と認否 ~過払い金の返還請求

開始決定後は資産や借金の内容が調査・把握されることになる。

借金の内容については,武富士側でも調査をするが
きちんと武富士から返してもらいたい場合には
「債権届」というものを出す必要がある。

決められた期限内に出さなければ原則的に請求権を失うことになる

(これまでの例からして武富士から用紙が送られてくることになると思われるが
過払いがあるかどうか分からないという場合などは
武富士に問い合わせるなり弁護士に相談するになりされた方がよい。
尚,届け出期間は開始決定から4ヶ月以内である)

債権届には,何円の返還請求権があるのかを書くのであるが,
この債権届けを出せば全額返ってくるのかといえばそうではない。

まずは,武富士側で届け出金額通りの過払いがあると認めるか否か調査をして
いくら認めるのか回答が返ってくる形になる(「認否」と呼ばれている)。
そして,武富士の回答に不満がある場合は,債権者側の方で金額について
争う手続きをとることになる

〓〓〓〓〓〓〓更生計画案・決議 ~いくら返ってくるのか

で,武富士が認めた金額が全額返ってくるかといえばそうではない。
武富士の資産状況によって,
債権届けが出ている過払い金の何割を返還するかが変わってくる。

何割を返還するかは,「更生計画案」という計画案によって示される
(武富士のHPには計画案の提出期限が平成23年夏頃と書かれている)。

債権者はこの計画案について賛成するか反対するか投票をすることになる(決議)
(どのような方法で投票するかは未確定だが,書面投票のことが多い。
過去の例では,決議の用紙が債権者に送付されてきていた)

計画何が可決され,さらに裁判所が計画案の内容のとおりでOKと認めた場合(認可)は
以下のとおり,計画案が実行されることになる。

〓〓〓〓〓〓〓更生計画案の遂行 ~返還

計画案の内容が確定した場合には,計画案に定められた割合によって
支払いが行われることになる

これがいつになるかは未定だが
パターンからしておそらく今から1年かそれ以上かかるのではないかと思う。

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以上であるが,こう書かれても「よくわからない」という方が多いと思う。
また,時期によって状況も変わってくるので
不安や疑問のある方は弁護士に相談された方がよい。
いくら返還されるのかは分からないが,権利を失うのは勿体ないと思う。

〓〓〓〓〓〓過払いではなく債務が残っている場合

過払いではなく借金が残っている場合には,
これまで通り返済する必要がある。
但し,返済といっても,元々,法定金利(18%・15%等)に従って返済すればよいので
債務が残っているという場合も一度相談された方がよい

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として,今回,武富士の会社更生に関するネット上の情報を見ていると
掲示板みたいなところで
質問「過払い金が大幅にカットされるとききましたが本当でしょうか」
回答A1「そうです。かくかくしかじか・・・」
これに対して
A2「そんなことはありません。全額支払われます。
 A1さんは何を知ったかぶりをして説明してるのですか」
というような意見が出て,それに対してまた反論やら野次のようなコメントやら
がずらずらと出ているのを見かけた。

こうやってみていると,ネットの情報というのも,色々だなぁと改めて思う。

私自身もネットで調べることはよくある。
弁護士なので法的な分野については真偽の判断ができるが,
他の情報についてはよく分からない。

だからネットで調べた情報を鵜呑みにするのではなく
それ以外の方法でも調べて検討しておかないと危険だなぁといつも思っている。

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いずれにしても,一度ご相談されることをおすすめいたします。